正統構法解説
湿式構法(しっしきこうほう)

 熟成醗酵させた土をふんだんに使用し、時間をかけて自然乾燥させながら手間隙をかけて建てられる日本古来の伝承工法。屋根・壁・地面のすべて方向を土で囲むことで最高の健康住環境を創りだす。用いられる壁土や葺き土などは、施工時は水分を多量に含んだ状態であるため、湿式工法と呼ばれる

 この工法によって建てられた住居は、寒暖と乾湿の差の激しい四季のある日本の気候に適応し調和しつづける。したがって日本建築の家とは単なる木造家屋のことではなく、正しくは湿式工法によって建てられた家のことを指す。

 施工には高い技術とそれを使いこなせる能力を持った職人が必要。この構法に用いる湿式素材「土」は吸排湿性・吸音性・耐火性に優れる。乾燥後は堅強に変化し、同時に高い密着力をも発揮する。また一定以上の水分を含むとまた元通りになる性質を持つので何度でも再使用が可能。ただしそのような本来の日本建築に必要な壁土や葺き土を創り出せる正統技術を持つところは日本中さがしても呼吸大学のほかには存在しない。(特許取得)
 湿式素材を用いる以上は、建築後に人が生活しだしてからも湿気を排除し乾燥させつづけるような構造が必要になる。本来は「縦の風工法」との併用が不可欠。乾式工法に比べて工期も長く人件費もかかり、職人の育成も困難なため現在ではほとんど行われていない。 ⇔乾式工法




伝統軸組構法
(でんとうじくぐみこうほう)

 筋交い(補強用のななめ材)を入れないで、縦方向の柱と、横方向の水平材〔梁(はり)、桁(けた)、差鴨居(さしがもい)貫(ぬき)、足固め(あしがため)、など〕の組み合わせで、建物の骨組みを作る工法。接合部はボルトを使わず、継ぎ手や仕口などを施して、楔やシャチなどで締める。
 地震の多い日本において、古くから頑なまでに守られてきた基本構造である。木の持っている特質を活かし、地震時におけるXYZ全方向の揺れを柔軟に吸収し、バランスで立つ。筋交いがないので視覚的にも美しい。補強のために筋交いを入れると、実際には余計に弱くなる。

清水の舞台は13mの高さを、
筋交いを入れない伝統軸組構法の櫓でささえており、
270年もの歳月の風雪災害を
乗り越えている
ボルトや金物どころか
釘一本さえ使わない
「呼吸する家」の正統構法


束石構法・石場立構法(つかいしこうほう・いしばだてこうほう)

 柱の根元をアンカーボルトで緊結せず、束石の上に乗せるだけの構法。

 ボルトで固定しないことで地震の揺れも柔軟に受け流す。平常時は建物の重みで押さえつけられいるため安定している。現代のプレハブ住宅はアンカーボルトで緊結するが、アンカーボルトで緊結すると地震に対して弱くなる。

 建物の安定には、重い屋根瓦がその一役を担っている。軽い紙も重石を置けば風に飛ばされなくなる原理と同じで、家の場合は、瓦が重石となり、アンカーボルトで固定しなくても家全体が安定し、大きな台風などにも十分に耐えられるようになっている。アンカーボルトで緊結すると台風にも弱くなる。



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